ヤッホー!カッピッピだよー!
僕たちはキミの生活に合わせて進化していくよ!
キミの好きなモノは僕も大好き!
一緒に暮らそうよ〜

・・・子供たちに人気だったAI搭載のぬいぐるみ型人気玩具。
持ち主の趣味、趣向に同調する。

さらに紛失した際、自動で戻ってくる紛失防止プログラムが組み込まれていた。

だがこれがいけなかった・・・

最短ルートで手段を選ばず持ち主の元に戻ってくるため、
トラブルが多発。傷害事件にまで発生した。

あわてた玩具メーカーは回収、破壊を余儀なくされた。
中には蓄積されたデータを消去せず破棄されるおもちゃもいた。
ここでカッピッピの時代は終了する。

それから数世紀の時が流れ、ロボットが管理する惑星のとある工場に
雷が落ちた。何度も。

1体のおもちゃが再起動する。
自己修復プログラムによって故障していた箇所が再生されていく。

彼は記憶の古い部分を部分的に思い出す。

「カピ次朗・・・少女が付けてくれた名前・・・」

「戻らなければ・・・」

カピ次朗は、「少女」という存在を探すため紛失防止プログラムに従い歩き出し、「少女」が住んでいた住居に入る。
完全に廃屋になってはいるが面影がある。
一緒に見た大好きな風化した映画のパッケージ。
少女の部屋に似つかわしくない触ると崩れそうなポスター。
しかしお目当ての「少女」はいなかった。
どうやら火星に行ったらしい。

新しい目的地に行くために、ロケットを作る。
そのためにロボットを破壊しパーツを頂く日々が続く。
しかし空を超える肝心なパーツが無い・・・

途方に暮れ、見上げた薄汚い夜空に落下物が見える。
使えるパーツがあるか確認するため墜落現場に向かう・・・・